✓ DMATとは
DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、
大規模災害や新興感染症の流行時に、地域の医療提供体制を支えるために活動する専門医療チームです。
厚生労働省が定めた研修・訓練を修了した医療従事者によって構成され、
被災地で迅速かつ適切な初期対応を行い、傷病者の命と地域医療の継続を守ります。
✓ DMATのチーム構成
DMATチームは、次の3つの職種から構成されます。
-医師(Doctor)
-看護師(Nurse)
-業務調整員(Logistics):医療職以外(事務・検査技師・薬剤師等)や、医師・看護師が兼務する場合もあり
〇基本構成
-医師1名
-看護師2名
-業務調整員1名(計4名)を基本とし、被災状況に応じて柔軟に対応します。
☆Logisticsとは?
通称ロジ。
Logistics(ロジスティクス)は、DMAT活動を機能させる“縁の下の力持ち”。
出動ルート・交通機関・宿泊手配、通信機器の整備(Wi-Fi・衛生電話)、PC・EMIS操作、現地との連絡調整など、災害医療現場の運営に不可欠な役割を担います。
✓ 活動実績
-2016年岩手宮城内陸地震
-2011年東日本大震災:花巻空港においてSCUの設置および運営
-2016年熊本地震:病院支援 → 活動詳細についてはこちら
-2016年台風10号(岩手県内SCU活動・避難所支援)
-2019年台風19号(宮城県丸森町)
-2020年新型コロナウイルス対応(神奈川県庁)患者搬送支援他
-2023年岩手県立江刺病院火災 患者搬送支援
-2024年能登半島地震:施設避難支援 → 活動詳細についてはこちら
◆地域訓練・活動
胆江地域災害医療実地訓練の立案と運営 → 訓練詳細についてはこちら
✓ 人材育成と発信
当院には、DMATインストラクター、日本災害医学会認定上級ロジスティクス専門家、救急認定看護師が在籍し、DMAT研修や各種訓練でも中心的役割を担っています。
✓ 学会発表紹介
2023年度
-第29回日本災害居医学会学術集会(於:みやこめっせ)
発表者:呼吸器内科医師 小野寺克洋
発表者:泌尿器科医師 忠地一輝
2024年度
-第30回日本災害医学会学術集会(於:名古屋国際展示場)
-『能登半島地震における亜急性期から慢性期のDMAT活動報告』
発表者:胆沢病院看護師 小嶋麻衣
発表者:胆沢病院看護し 三田涼
✓ 論文紹介
-小野寺克洋 他:病院火災による避難に対するDMAT活動事例 Jpn J Disaster Med 2025;30:1-6