当科では、腹部大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症などの動脈疾患、下肢静脈瘤や深部静脈血栓症などの静脈疾患、ならびにリンパ管疾患など、末梢血管外科領域全般の診療を行っております。
ただし、当院では心臓および胸部大動脈疾患に対する手術には対応しておりません。これらの手術が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介いたします。
当科は、岩手県南地域において唯一の血管外科として、奥州・胆沢地域にとどまらず、県南および沿岸部を含む広い地域から患者様を受け入れ、診療を行っております。
血管外科専門外来は、毎週月曜日・水曜日・木曜日の午前中(祝日および休診日を除く)に実施しております。受診は完全予約制となっており、かかりつけ医からの紹介状が必要です。
以下のような症状がある場合は、血管の病気が疑われます。
・足のむくみが気になる、足の血管がこぶ状に浮き出ている、足がつる
(下肢静脈瘤の可能性があります)
・足の冷えを感じる、歩行時に足が痛くなる、長い距離が歩けない、坂道や階段の昇降がつらい
(下肢の血流が低下している可能性があります)
・お腹が拍動するように感じる、お腹に心臓があるような違和感がある
(腹部大動脈瘤の可能性があります)
このような症状がみられる場合は、まずはかかりつけ医またはお近くの医療機関にご相談ください。そのうえで、紹介状をご用意いただき、当科を受診していただきますようお願いいたします。
医療機関からのご紹介は、当院の地域連携室(紹介センター)宛にFAXでお申し込みください。
また、緊急対応が必要と判断される患者様につきましては、随時対応いたしますので、お電話にてご連絡をお願いいたします。(土日・夜間などの診療時間外は救急外来にて対応いたします。)
県立中部病院・磐井病院・大船渡病院において、月1回の出張外来も行っておりますので、遠方にお住まいで当院への通院が困難な方につきましては、お近くの医療機関にて術後のフォローアップを受けていただくことも可能です
-腹部大動脈瘤に対する治療-
腹部大動脈瘤に対する治療には、ステントグラフト内挿術(カテーテル治療)と開腹人工血管置換術の2つの方法があります。患者様それぞれの病状や全身状態を踏まえ、最適な治療法をご提案いたします。
ステントグラフト内挿術については、本邦で使用可能なすべての機種に対応した指導医・実施医資格を有する専門医が在籍しており、患者様の状態に応じて最適なデバイスを選択し、安全に配慮した治療を行っております。
-下肢閉塞性動脈硬化症・CLTIに対する治療-
下肢の血流障害を有する患者様に対しては、血栓除去術、カテーテルによる血管拡張術(血管内治療)、ステント留置術、外科的バイパス術など、病状に応じた治療を行っております。
特に、重症虚血肢に対しては、足関節や足部末梢の血管までバイパスを行うDistal Bypass(ディスタルバイパス)にも対応しております。
また、必要に応じて、植皮術、陰圧閉鎖療法、吸着式血液浄化療法(レオカーナ)などを組み合わせ、創傷治療にも積極的に取り組んでいます。
さらに、特定行為研修を修了した認定看護師と連携し、慢性創傷・フットケア外来を開設しております。多職種で協力しながら、下肢救済を目的とした包括的な足病治療を行っています。
-下肢静脈瘤に対する治療-
下肢静脈瘤の治療にあたっては、「下肢静脈瘤診療ガイドライン(日本皮膚科学会)」および「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術のガイドライン(日本脈管学会・日本静脈学会)」に基づき、適切な適応判断のもとで診療を行っております。
当院では、低侵襲であるレーザーによる血管内焼灼術を中心に治療を行っております。
-リンパ浮腫に対する治療-
リンパ浮腫に対する治療(重要なお知らせ)
リンパ浮腫に対するリンパドレナージ等の「リンパ浮腫複合的治療」につきましては、現在、リンパドレナージセラピストおよびリンパ浮腫療法士の資格を有するスタッフが不足しているため、新規患者様の受付を停止しております。
皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
なお、リンパ管吻合術などの外科的治療は実施しておりません。
血管外科疾患の詳細な説明は、下記学会ホームページの解説をご参照ください。

<2008年~2025年 血管外科の手術実績の推移>

<2025年の血管外科関連手術 内訳>
【動脈瘤】
・腹部大動脈瘤、腸骨動脈瘤 74例
・ステントグラフト術 61例
・開腹人工血管置換術 13例
【静脈瘤】
・下肢静脈瘤 14例
【末梢動脈疾患】
・急性下肢虚血(非動脈硬化)血栓除去手術 11例
・慢性虚血、閉塞性動脈硬化症 79例
・血管内治療(カテーテル手術)単独 44例
・バイパス手術、ハイブリッド手術 35例
※ハイブリッド手術とは、カテーテル手術とバイパス手術を組み合わせて、効率的かつ低侵襲に下肢の
血流改善を行う手術方法です。
【その他】 55例
(血管外傷、仮性動脈瘤、末梢動脈瘤、人工血管感染手術、下肢足趾切断、デブリドマンなど)